さんすい防災研究所 山﨑 水紀夫 が代表を務める団体「高知防災プロジェクト」についての紹介です。
高知防災プロジェクト活動の背景
2016(平成28)年度より国や県の高知港海岸整備事業で、三重防護をコンセプトとした浦戸湾周辺の地震津波対策が進もうとしています。
この計画では、防潮堤の嵩上げや液状化対策等により、1発生頻度の高い津波(レベル1津波※)が陸地に入って来るのを防ぐと共に、2最大クラスの津波(レベル2津波※)が発生した場合には避難時間を稼ぐことが考えられています。
しかしハード整備だけでは、住民が避難をする時間を稼ぐことはできても、最大クラスの津波による被害を最小限にとどめることはできません。
住民が「逃げる」という意識を持ち続け、行動を取らなければ、巨大地震による津波から身を守ることはできないのです。
※レベル1津波:最大クラスに比べ発生頻度は高く(数十~百数十年に一度)、津波高は低いものの大きな被害をもたらす津波
※レベル2津波:発生頻度は極めて低いものの、発生すれば甚大な被害をもたらす津波
高知防災プロジェクトの設立目的
私たち地域住民は、国や県による公共事業でハード整備が進捗するのを見守るだけで、安心してはいないでしょうか。
浦戸湾周辺地域で居住し勤務する皆さまの防災ネットワークを強化することにより、防災意識を高め、避難行動能力を底上げすることが必要だと思います。
そこで私たち有志は、「逃げ地図づくり」やその他の新しい手法を研究・実践・普及することにより、ハード整備と並行してソフト対策の拡充に努め、地域の総合的な防災力を高めることのお手伝いをするために、この団体を設立しようと考えました。
高知防災プロジェクトメンバー構成
この活動は、これまでまちづくり・防災・環境など、さまざまなNPO活動に携わってきた市民有志の呼びかけで始まりました。
設立準備会を経て、2017年10月に任意団体として発足し、実際的な活動を開始したところです。
上記の趣旨に賛同していただける方なら、居住地にかかわらずどなたでも参加できる取り組みとしたいと思います。
今後は行政とも連携し、三重防護の事業等に携わる企業の皆さまなどにも呼びかけ、社会貢献活動として浦戸湾周辺地域の防災活動に協力してもらえるよう、働きかけていきたいと考えています。
2017(平成 29)年 10 月 代表 山﨑 一寛 代表
山﨑 水紀夫